2022-08-25

三線工房 訪問記【文字通り三線の修理・販売を行う素敵な場所です】

三線工房 きよむら

香川県に暮らす自分たちにとって、三線に実際に触れて、購入できる三線屋や工房などはまったく縁の無いもの、と言うのは現実です。

消耗品のチル(糸・弦)一つでもネットショップで買わないと手に入らないのが地方都市の悲しさでしたが、最近は消耗品などはゆくい内で常備させて貰える様にもなり、先日は、念願かなって大阪にある「きよむら三線工房」へ連れて行って貰い、三線工房デビューを果たした次第です。

初めての三線工房訪問記です!

大阪市西淀川区にある三線工房きよむら

三線工房 きよむら

Wikipediaによると、工房とは「工匠の仕事をするための部屋、画家、彫刻家、工芸家などの仕事場・作業場やアトリエなどのこと。」とありました。

まさにその通り、さんしん工房きよむらは扉をくぐった瞬間、三線のパーツや作りかけの三線、修理の為に預かっている三線がそこかしこにある、まさに三線工房でした。

三線に興味がある者にとっては、堪らなくワクワクする空間で、「これは何しよりますか?」と矢継ぎ早の質問に、店主の清村斉先生は笑顔で答えてくれます。

店主 清村斉(きよむらひとし)先生

店主 清村斉(きよむらひとし)先生

清村先生は、宮古島本島と石垣島の真ん中にある、古くから伝わる芸能を大切に今に伝える島、多良間島(たらまじま)で幼少の頃を過ごされました。

多くの沖縄の離島部の子供がそうなのですが、多良間島も例にもれず、島の子供たちは中学校を卒業すると、宮古島本島や沖縄本島の高校に入学して、学生生活を送ります。

清村先生も沖縄本島で高校・大学と進み、卒業後は海外へ赴任したのち、沖縄本島で10年間三線店の店長として働き、現在の大阪市西淀川区で自分の工房を立ち上げ、今年(2022年)で12年目になると言います。

最初はガレージを借りて、その後自宅の一室、そして今年になって今の一軒屋に移り、こうして大阪市内に、沖縄に有る三線工房とおんなじ空間が完成したとのことです。

三線工房を営み、修理・販売しながら、宮古民謡教師・琉球古典音楽教師の腕前で、民謡酒場やライブ・イベントでには引っ張りだこ、大阪府下の数カ所で三線を指導するなど、まさに三線どっぷりの忙しい毎日を過ごしておられます。

その教室の中の一つの教室に所属する清村先生のお弟子さんが香川県とは深い縁があって、こうして我々ゆくい三線サークルで三線の手ほどきをいただいています、と言うことで、ゆくい三線のメンバーは、清村先生の孫弟子にあたる訳ですね。

近い将来、香川県にも清村先生が足を運んでくださると約束いただきました、その際には、何処かで歌って貰おうと言う話でも盛り上がりました。

三線屋の色々

三線工房きょむら

三線を作る工程は幾つもありますが、清村先生の工房では、三線の棹の加工、材料となる原木から棹を削り出す作業と塗装などは、古くから付き合いのある、沖縄の工房へお願いしているとのこと。

塗装は、専用の作業スペースも必要となり、棹もご自身で削っていたことも有るそうですが、信頼のおけるそれぞれの職人さんとのご縁があり、現在のスタイルとなったそうです。

三線屋・工房によって、棹だけは塗りに出しているお店、すべての工程を外注して組み立てているお店、完成品を仕入れて販売しているお店など、色んな形があって、

特に、内地の三線屋は完成品を仕入れて販売と言う形態が多く、修理の都度、沖縄の工房へ送ったりの手間が掛かるため、内地の方の三線メンテナンスはどうしてもお金がかかってしまうとのこと。

そうですよね、我々香川県民も、実際にこうして大阪まで来るか、宅配便で送るかなどする必要がありますから、内地でこうして清村先生の様な工房にアクセス出来る方は幸運としか言いようが有りませんね。

工房のお仕事

店主 清村斉(きよむらひとし)先生

清村先生の中で三線工房のポリシーとしてあるのは、不具合はゆんたく(雑談)しながら、その場で調整、特に、皮張りなどはその人に合わせた音をイメージして作りたいので、使用する人とのやり取りがとても大事だとおっしゃられました。

出来る限り使う人とコミュニケーションを大事にした上で三線を作りたいので、ネット通販などもやらない、ウチは三線工房なので、何処で購入した三線でも修理するとのこと。

消耗品の購入から、糸の交換(自分でも出来る)、皮の張替え、棹の塗り直し、など色んな不具合を訴えて、沢山の方が毎日工房に来られるそうで、その場で出来ない修理などで入院している三線が、実際に沢山治してもらう順番を待っていました。

こんな思いで作られた三線が素敵なのは間違いありません。自分も、次は清村先生に三線を作って貰いたいと心底思います。

そして、こういうお話をしている間のやり取りは、さんぴん茶と先生の生まれ島の多良間島の黒糖を摘みながら、これも沖縄の三線屋のスタイルなんだそうです。

三線工房きよむらへのアクセスと営業時間

三線工房きよむら

是非一度、三線が好きな方は三線工房へ足を運んでいただきたいと思います、知り得ることの無い三線話で迎えてくれるかと思います。

ついつい長居してしまい、遅いお昼ご飯もご一緒させていただきました。

当然ですが、大阪は香川県なんかより、ずっとずっと都会な街ですが、連れて行ってくださったのが、びっくりするほどの昭和な素敵な食堂、香川にもこういう昭和なおうどん店は少なくなりました。

こういうギャップも大阪なんですね。

《三線工房きよむら》

電話蛮行:06-6474-3906
営業時間:10時~18時
サイト :https://34kiyomura.com/
駐車場 :無し、近隣のコインパーキングを利用下さい

定休日 :日曜日(発送業務やライブ・イベント出演の為、離れていることも有るため、お電話してから行った方が確実だとのこと)

〒555-0001 大阪府大阪市西淀川区佃1丁目3-8

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